どっちの愛も、重すぎて息ができない。
だけどそれは湊の存在を忘れていたからであって、もう記憶を取り戻した今、

私は湊以外を選ぶことは出来ない。

すると奏多がボソボソと口を開く。

「そっか、莉奈。莉奈は俺のこと捨てるんだね。」


「へ、?捨てるなん「もういい。でも覚えといて、俺は絶対諦めないから」


捨てるとは言っていない。ただ今まで通りとは行かないけど、仲良しではいたい。


でも奏多が何をするのかが理解できなくて
すごく、怖い。

奏多の顔は泣いているのか笑っているのか
分からなくて余計に鳥肌が立った。


そしてそう言い残し奏多が去っていった。

そして後ろからギュッと抱きしめられる。

「大丈夫だよ。俺がいる。俺が守るからね。」

湊の優しい声と温かい温もりに包まれる。
だけど私は奏多の言葉が頭に

ズキズキと刺さっていた────。
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