どっちの愛も、重すぎて息ができない。
湊ルート
***─湊ルート

《莉奈は 怖いけど本当に求めていた初恋。
昔からの想い人、湊を選びました。》


「莉奈っ!」
奏多の手に掴まれたまま、胸が苦しくて
息が出来そうになかった。

でも私は……

「……奏多、ごめん。
私が、本当に好きなのは湊なの、昔には抗えない、!」

一瞬時が止まったように感じた。
奏多は目が大きくなったまま固まっていて

嘘だ、という顔をしている。

「な……に、?今、なんて言った、?」


手が震えて力が緩んだ瞬間に私は手を振りほどいた。


そしてその瞬間を狙って湊が私を抱き寄せた。


「……莉奈、俺を選んでくれたの?ありがとう。嬉しい。」

「う、うん……っ、」

私たちが抱き合っている間も奏多は振りほどかれた手を見つめながら涙を流していた。

確かに奏多と過ごしていた時間はとても幸せだった。
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