どっちの愛も、重すぎて息ができない。
奏多ルート
「やっと、俺を選んでくれたね。」

そう甘く囁かれた奏多の声は少し震えていて泣き笑いのようだった。


私が選んだのは奏多。
でも胸の温かさはどうしてこんなにも重いんだろう。

「莉奈。俺のこと、嫌わないでね、?」
眉を下げて不安そうに問いかけてくる奏多。

「嫌わないよ、記憶を失ってから支えてくれてたのは奏多でしょう?」

「うん、」

奏多は安堵したように目を閉じる。
ぎゅっと抱きしめる力がさらに強くなる

「なら、もう離れていかないでね、
俺のことだけ、見てて。」

「うん。」

「湊なんてみないで、思い出さないで。」

「うん、」

< 80 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop