私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「うん」

 迷いなく答えると、スピーカーの向こうから、瑞稀くんの『はぁっ⁉』というおどろきの声が聞こえてきた。

『俺たち4人に力を使うことになるんだぞ。奏、大丈夫か?』
「言ったでしょ? 私を信じてって。万が一倒れたとしても、すぐに飛び起きて、みんなを無事にステージまで連れていくから!」

 瑞稀くんは黙り込んだ。でも、なにかを決心したように『そうだな』と返事をした。

『それじゃあ、お互い頑張ろうな』
「うん!」

 瑞稀くんとの電話を終えたあと、私は頬をピシャッと叩いて気合いを入れた。
 それから大きく深呼吸をして、頭の中をクリアにした。

「さあ、トップバッターは話題沸騰中のstarix! 今回は新曲を披露してくれるそうです。それでは、どうぞ!」

 プシューッ!

 アナウンサーの言葉を合図に、ステージのスモークマシンから白い煙が天井に向かって噴き上がった。
 次の瞬間、蓋を外した通気口から瑞稀くんが飛び降りてくる。
 ――今だ!
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