私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
『飛べ!』

 強く念じると、瑞稀くんの体がふわりと浮く。
 蘭くん、朔良くん、蛍くんも歌いながら宙を舞った。

「えっ⁉ starixのみんな、飛んでる⁉」
「すごい! 魔法みたい!」

 ファンの子たちの黄色い歓声が響きわたり、スタジオが一気に熱狂に包まれた。
 やったあ! 大成功!
 でも、4人を同時に浮かせながら、ステージに下ろすのはとてもきつい。
 体力がどんどん削られて、まぶたが重くなっていくのがわかる。

「頑張れ、私……!」

 瑞稀くんたちが私を信じて、覚悟を決めてくれたんだ。
 あんなに高い所から飛び降りるなんて、きっと、相当な勇気を振りしぼったはず。
 だから私は、絶対に4人を無傷でステージに降ろしてみせる!
 心の中で自分に気合いを入れ直し、再び神経を集中させる。
 その結果、曲がサビに入る直前で、なんとかstarix全員を無事にステージに着地させることができた。
 曲が爆発的に盛り上がる瞬間。starixのみんなはスポットライトを浴びながら、リハーサル以上に完璧で、最高のパフォーマンスを見せてくれた。
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