私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「そういえば、何でオレたち……ワイヤーなしで飛べたんだ?」
「うーん。かなちゃんは何か知ってる?」
「えっ⁉」

 朔良くんに聞かれて、思わずドキッと心臓が跳ねる。

「さ、さあ……? 僕もよくわかんないかな……」

 慌ててさっと視線をそらすと、突然、バンッ!とドアが勢いよく開いた。

「奏くん⁉」

 私の元へ走ってきたのは、なんと結衣ちゃんだった。

「結衣ちゃん! どうしてここに……?」
「別のスタジオで収録してたの。そのあとで、奏くんが医務室に運ばれたって聞いたんだけど……大丈夫⁉」
「うん。もう平気だよ」
「よ、よかったぁ……!」

 結衣ちゃんは、涙で目をうるませながら、胸を押さえて安心したように笑った。その瞬間。
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