私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「すごいな……」

 近くにいた瑞稀くんが、圧倒されたようにため息をつく。

「明日はこの席にファンの子たちが座るから、もっとすごい眺めになりそうだよな」

 なんて、急に私に話しかけてくるから、思わずドキッとしてしまった。

「う、うん……」

 私はドキドキしながらうなずいた。
 瑞稀くんの顔を見ただけで、心臓がバクバクとうるさくなって、顔が火照ったように熱くなる。
 先月の音楽番組が終わったあとの帰り。
 あのとき私は、瑞稀くんへの恋心は封印すると決めたはずだった。
 なのに、どんなに『好き』という気持ちを抑え込んでも、私の中からあふれてしまう。
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