私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
パァァァァァンッ‼
車道を走る大型トラックが、横断歩道に飛び出した男の子に向かって、けたたましくクラクションを鳴らした。
starixの歌や街の喧騒をかき消すほどの大音量に、私の背筋がビクッと跳ね上がる。
横断歩道を走っていた男の子もびっくりしたのか、自分に迫ってくるトラックを前に、その場にぴたっと立ちすくんでしまった。
キキーッ‼
トラックが、耳が痛くなるような音を立てて急ブレーキをかけた。
でも、ダメだ! このままじゃ間に合わない!
男の子を助けるには――今ここで、私の秘密の〝力〟を使わなきゃ‼
本当は大勢の人がいる前で、この力を使っちゃいけないってわかってる。
でも、今は緊急事態。迷ってなんかいられない!
私は決心すると、ひとつ大きく深呼吸をした。
頭の中がクリアになったところで、時が止まったかのように固まる男の子へ向けて、全神経を集中させて――……。