私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
 振り向くと、いつの間にか背後にいた瑞稀くんが、私の肩をつかんでいた。

「蛍、陽名。次、別室で撮影だってよ」

 瑞稀くんが私たちに淡々と告げる。

「やべっ! 早く行くぞ!」
「うんっ!」

 ダッシュする蛍くんの背中を追おうとしたけど、瑞稀くんは私の肩から手を離してくれない。
 まるで私の心の中を探るような瞳で、こちらをじっと見つめてくる。
 なんだろう、この意味ありげな視線……。もしかして瑞稀くん、私がさっき蛍くんに嘘をついたことに気づいてる……?
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