桜が咲く時まで、生きていたい

後夜祭

文化祭も大成功に終わり、今から後夜祭がある。

あの後分かったことなのだが、宗一郎のファンクラブや、その他のところで、姫奈と宗一郎が付き合ったことが連絡で回ってきたらし

く、ファンクラブでは、二人を邪魔せず見守るように、などと謎のお達しがきていたそうだ。

「ところでさ、姫。薬飲まなくていいのか?」

「えっ」

なんで宗一郎が薬のことを知っているのかとびっくりする。

「いや、だってここ数ヶ月毎日昼飯のあと飲んでないか?言っただろ、姫のこと見てたって」

「あ、そっか…びっくりしたぁ」

「何にびっくりしたんだ?」

それはもちろん宗一郎が姫奈の病気のことを知っているのかと思ったからなのだが、ここは曖昧に流しておく。

「あ、もうすぐじゃない?今年の好評だったクラスの発表!」

「お、そうみたいだな。でも、薬はちゃんと飲めよ?」

「うん、わかった。じゃあ飲んでくるから、先に行ってて」

そう言って宗一郎とわかれた。

薬は教室にあるので、教室に行く。

でも、薬は飲まなかった。

飲みたくなかったとかいうわけではなく、時間が時間なので、帰って夕ご飯を食べてからの方が薬を飲む時間が狂わずに済むからだ。

あと1〜2時間くらいだし、大丈夫だと思う。

不自然にならないように少し時間を置いてから戻る。

姫奈が通う高校の文化祭では、生徒と来場者一人一人に、投票用紙が配られる。

どこのブース、お店が良かったかを投票してもらい、集計をとって、後夜祭の1番初めに発表する。

そして優勝したクラスには、なんと10万円が授与される。

それが終わった後は、ビンゴ大会や、ちょっとしたレクリエーションがあり、最後には花火を打ち上げて終わりとなる。

もうすぐ発表があるという放送を聞いて慌ててステージのある広場に戻る。

すると、なぜか自然と道が開けていった。

まるで進んだ先に宗次郎がいるといわんばかりに。

どうしたらいいか戸惑っていると、千佳や瑠花が人だかりから現れた。

「遅かったじゃん」

「あ、うん。えーと…?」

「あー、これね、多分ファンクラブの中で情報共有されてるんだと思うよ」

「そうそう。なんか新しいファンクラブもできたみたいだし」

「え…!?どういうこと?」

「宗一郎様と姫奈様を見守る会、だったかな。もーちょっといい名前あったでしょって感じなんだけどね。でも、今日発足した割にどこのファンクラブよりも入会者数が多いのよ」

「ちなみに!うちらも入ってるよ!」

そう言ってニカっと笑う千佳ちゃん。

もう何が何だかわかんないよ…

「とりあえず、多分この先に宗一郎くんがいると思うよ。行ってらっしゃい」

未だ状況が理解できなかったが、とりあえず道を進む。

「あ、来た。こっちこっち」

そう言って姫奈のことを呼んだのは宗一郎だった。

「急に後ろに道が開けたから何事かと思ったら姫奈ちゃんだったのか」

と、驚く春樹。

「なんでもいーよ」
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