桜が咲く時まで、生きていたい
リビングに降りていくと、お父さんと宗一郎が何やら話していた。

「それで?うちの姫奈にはなんて言ったんだい?」

「それは、ストレートに」

「お父さん!恥ずかしいからやめてよ!」

「え?でも素直に答えてくれたぞ?」

すでに色々と話をしているらしい。

「あら、降りてきたの?それじゃあ、宗一郎くん送りに行きましょうか」

運転席にお母さん、後頭部座席に2人で座っている。

他愛もない話をしていると宗一郎の家に着いてしまった。

姫奈の住む一軒家とは比べ物にならないほどの大きさだ。

「あらまぁ、宗一郎のお家大きいわねぇ」

「ここまでありがとうございました」

すると、家の玄関から女の人がパタパタと走ってきた。

「そうちゃん?遅かったわねぇ」

程よくウェーブがかかっている黒髪の女性はどうやら宗一郎のお母さんのようだ。

さすが宗一郎のお母さん。美人だ。

「あら?あらあら?女の子じゃない!まぁ〜わざわざ送ってくださったんですか?お礼しないとねぇ。お茶でも飲んで行かれます?」

「…母さん、今何時だと思ってる?」

はぁ…と呆れたように言う宗一郎。

「そうだったわねぇ。じゃあ今度家にいらして?歓迎するわ。もちろんお母様もね!」

「わかったから、家に入ってて」

そう言うとおとなしく家に入る宗一郎のお母さん。

「すみません。うちの母親、天然なんです。改めて送ってくださってありがとうございました。姫奈、ちゃんと寝て貧血治して」

そう言って宗一郎は姫奈の頭を撫でた。

大きくて温かい手。なんだかドキドキと共に安心もする。

「…うん」

それじゃあ、と言って別れる。

家に帰って自分の部屋に戻ると、まだ少し眩暈がするのを感じてその日は早めに寝ることにした。
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