桜が咲く時まで、生きていたい
放課後、千佳も呼んで3人でファストフード店に来ていた。

「それで?話って…」

この1日ずっと暗い顔をしていたせいか、千佳も真剣な顔をしている。

「何かあった?」

しばらく経って、深呼吸をする。

この2人に話すか、とても考えた。

でも、クラスに病気のことを知っている人がいてくれた方がいいだろうし、何よりこの2人には隠しておきたくなかった。

「あのね…」

姫奈が言いづらそうにしているのを見て、2人は優しく声をかけてくれる。

「姫のタイミングでいいよ。どんなことでも受け止めるから」

「一旦、なんか食べてからにする?」

「それは千佳が食べたいだけでしょう。でも、それもいいかもね」

「いや、今言うよ」

2人をまっすぐみる。

「私ね、私…病気なんだ…」

沈黙が走る。

ずいぶん長い時間が止まっているように感じた。

「え…?」

先に沈黙を破ったのは瑠花だった。

「そんな…え?冗談よね?治療すれば治る病気とかでしょう?」

「ううん、この間お医者さんにね、持って半年だって言われた」

「え…?どーゆーこと?理解できないんだけど?冗談だよね?姫がさ、そんな…」

「千佳、黙って」

「2人ともごめんね」

「いや、姫が謝ることじゃないよ。私たちに話すかも相当悩んでくれたんだろうし…。話してくれたことは嬉しい。それで…詳しく聞かせて?」

そう瑠花に言われ、姫奈はこれまでのことを話した。

当初は薬を飲んでいけば治るだろうと言われたこと。重症になったケースが少なく、いまだに特効薬が開発されていないこと。これからの症状のこと。みんなには話さないでおこうと考えていること。そして、これからしたいこと。

「…わかった…。全部、ぜんぶ叶えよう…!」

「私たちに話してくれてありがとう…!言えなくて…辛かったよね…ごめんね…」

千佳も瑠花も話終わる頃には号泣していた。

周りのお客さんからなんだなんだと注目を集め始める。

「ちょ、千佳ちゃんも瑠花ちゃんも泣かないでよ!他のお客さんから見られてるよ!」

「これが…泣かずにいられるかぁ!」

「千佳、声大きい」

泣きながらもちゃんと千佳を宥める瑠花。

「とりあえず…、お店でよう。家にくる?」
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