桜が咲く時まで、生きていたい
___病院___

「進行が早いわね…。この調子だと、夏休み中には入院してもらうことになりそう…」

「そんな…。遊びに行く予定もあるし、体育祭だって…」

「早めに入院して、体を休めながらだったら体育祭も出れるかもしれない。でも…その分、家で過ごす時間は少なくなると思っておいて。その判断は姫奈ちゃんに任せるわ」

病気がわかり、余命宣告された時以降初めての大きな衝撃だった。

「……っ!!」

瑠奈や千佳と遊びに行く予定も、体育祭も。宗一郎とやりたいこともまだまだたくさんある。

「私…入院します。やりたいことが、まだ沢山あるんです。そのためなら…」

迷いは一瞬だった。

「本当に…いいのね?」

その問いに、頷きで返す。後悔はなかった。

その後、手続きなどをし、その日のうちに入院することが決まった。

家族もそのことに反対はしなかった。

夜、荷物なども移動し終え落ち着いたので瑠花や千佳と電話していた。

『…そっか』

『姫が決めたことなんでしょ?だったら、何も言うことはないし、私たちもできるだけサポートするから。それより、私たちに教えてくれてありがとう』

「瑠花ちゃん…ありがとう」

病院から出ることができるのは9時以降になるので、そこを考慮して時間をずらしたり、夏休みに予定していた予定の時間を調整した。

『それにしても、病院かぁ…』

『千佳、あんた…』

『いやいや!そーゆーことじゃなくて!!姫の家はさ、比較的学校から近かったじゃん?でも、病院ちょっと遠いからさー』

「あはは。確かにそうだね。無理してこなくて大丈夫だよ」

『『毎日行く!』』

綺麗にハモった。

どうやら、毎日来てくれるらしい。

「じゃあ、もう少しで消灯だから」

『おっけー!』

『じゃあ、明日の終業式で』

「うん。またね〜」

そう言って、電話を切った。

その後宗一郎とメッセージでやり取りをし、眠りについた。
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