桜が咲く時まで、生きていたい
「さっきここの使用人さんに色々聞いてきたけど、みんな驚いてたよ。坊ちゃんのあんな姿を見るのは初めてだって」
ニヤニヤしながら羽田さんは宗一郎を揶揄う。
別荘の中を見て回ろうと立ちあがろうとすると、急に足が痺れた。
が、この楽しい空気を壊したくなくて頑張って耐えた。
「お手洗いに行ってくるね」
と言って歩き出し、なんとかトイレにたどり着く。
少しじっとしているとおさまってきたので、水だけ流し外に出る。するとお手伝いさんとちょうど鉢合わせた。
宗一郎が離してくれなかったおかげで挨拶もろくにできていなかったので、ここで挨拶をする。
「あ、初めまして。染島姫奈です。一日お世話になります」
「こちらこそ初めまして。お身体の状態のことは伺っております。何かございましたらすぐにお申し付けくださいね。それにしても…長年、お手伝いとして勤めていますが、坊ちゃんのあんな顔は初めて見ました」
若干涙ぐんで見えるのは気のせいだろうか。
「坊ちゃんには浮いた話ひとつなくて…蓮王子の後継者としての責任を負うため、日々努力してらっしゃいました。もう、寝る暇も惜しんで。そのせいでお身体を崩されることもあり…。何より、笑うことすら少なく…私のせいで…」
ついにポロポロと泣き出してしまった。
「それが高校にお入りになられてから人が変わったように明るくなられて…。今ではあんなに幸せそうな顔をしているんですもの。感謝しかありません。どうぞ、この別荘にいる間、ゆっくり過ごされてくださいね」
「いえ…こちらこそありがとうございます」
一体、今の話はどういうことなのだろう。
悶々と考えながら戻ると、心配そうな宗一郎に出迎えられた。
「おかえり。遅かったな?なんかあったか?」
「いや、お手伝いさんにあったからご挨拶してたの。心配かけちゃってごめんね」
「謝らなくていい。勝手に俺が心配してただけだから」
そうこうしていると先ほどのお手伝いさんとは別の方が昼食を持ってきてくれた。
しっかりと栄養が取れるメニューになっている。
「夜はバーベーキューだから、昼はちゃんとしたものを食べよう」
そう聞いてびっくりした。バーベーキューを姫奈も食べれるのかと。そう思っていると、羽田が口を開いた。
「小牧先生からオーケイは出てるよ。そもそも、姫奈ちゃんは食事が大きく病気に左右されない。まぁ、それでも病院食は決められたメニューだからあまり楽しめないだろうけどね。今日は思いっきり楽しんでこいって」
「そうだったんですね…」
ここまでしてくれるみんなに涙が出そうになる。
姫奈のために考え、行動してくれる心優しい人が近くにいて姫奈は本当に幸せ者だと思う。
バランスの良い昼食を食べ終わったタイミングで玄関のインターホンが鳴った。
ニヤニヤしながら羽田さんは宗一郎を揶揄う。
別荘の中を見て回ろうと立ちあがろうとすると、急に足が痺れた。
が、この楽しい空気を壊したくなくて頑張って耐えた。
「お手洗いに行ってくるね」
と言って歩き出し、なんとかトイレにたどり着く。
少しじっとしているとおさまってきたので、水だけ流し外に出る。するとお手伝いさんとちょうど鉢合わせた。
宗一郎が離してくれなかったおかげで挨拶もろくにできていなかったので、ここで挨拶をする。
「あ、初めまして。染島姫奈です。一日お世話になります」
「こちらこそ初めまして。お身体の状態のことは伺っております。何かございましたらすぐにお申し付けくださいね。それにしても…長年、お手伝いとして勤めていますが、坊ちゃんのあんな顔は初めて見ました」
若干涙ぐんで見えるのは気のせいだろうか。
「坊ちゃんには浮いた話ひとつなくて…蓮王子の後継者としての責任を負うため、日々努力してらっしゃいました。もう、寝る暇も惜しんで。そのせいでお身体を崩されることもあり…。何より、笑うことすら少なく…私のせいで…」
ついにポロポロと泣き出してしまった。
「それが高校にお入りになられてから人が変わったように明るくなられて…。今ではあんなに幸せそうな顔をしているんですもの。感謝しかありません。どうぞ、この別荘にいる間、ゆっくり過ごされてくださいね」
「いえ…こちらこそありがとうございます」
一体、今の話はどういうことなのだろう。
悶々と考えながら戻ると、心配そうな宗一郎に出迎えられた。
「おかえり。遅かったな?なんかあったか?」
「いや、お手伝いさんにあったからご挨拶してたの。心配かけちゃってごめんね」
「謝らなくていい。勝手に俺が心配してただけだから」
そうこうしていると先ほどのお手伝いさんとは別の方が昼食を持ってきてくれた。
しっかりと栄養が取れるメニューになっている。
「夜はバーベーキューだから、昼はちゃんとしたものを食べよう」
そう聞いてびっくりした。バーベーキューを姫奈も食べれるのかと。そう思っていると、羽田が口を開いた。
「小牧先生からオーケイは出てるよ。そもそも、姫奈ちゃんは食事が大きく病気に左右されない。まぁ、それでも病院食は決められたメニューだからあまり楽しめないだろうけどね。今日は思いっきり楽しんでこいって」
「そうだったんですね…」
ここまでしてくれるみんなに涙が出そうになる。
姫奈のために考え、行動してくれる心優しい人が近くにいて姫奈は本当に幸せ者だと思う。
バランスの良い昼食を食べ終わったタイミングで玄関のインターホンが鳴った。