桜が咲く時まで、生きていたい
「ねぇ、なんなの?」

そう言ってきたのは、同じクラスの一軍女子、凛だ。

「え?」

「だから、なんであんたの彼氏でもない春樹に蘇芳まであんたに過保護になってんのかって聞いてるのよ」

さてどう返そうと思っていると、ここで助け舟がきた。

「染島さん、ちょっといい?」

そう言って声をかけてきたのは担任の立花先生だ。

先生が来たとわかるといささか分が悪い凛はちっ、と舌打ちを残して消えていった。

「職員室まで来てくれる?」

そう言われてきた職員室には昼休みということもあり、多くの先生がいた。ちなみに、先生たちには姫奈のことを話しているので、声を潜めて話す必要はない。

「最近、ああいった光景をよく見かけるのだけれど、大丈夫?」

そう、最近、宗一郎たちサポート隊、さらに姫奈見守り隊の目を掻い潜って嫌味を言ってくる生徒が増えたのだ。

姫奈自身、対応に困っているところだった。

「今日は私がちょうど通りかかったからよかったけれど、毎回そうするわけにもいかないでしょう?何か対策を考えた方がいいんじゃないかしら?」

それについては姫奈も宗一郎と話していた。いっそのこと全て話してしまった方がいいのではないか、と。

しかし、それを話すには姫奈の心の準備ができないでいた。

「そうですよね。一応、話し合ってはいるんですけど、私の心が…」

「そうなの。考えてるのならよかった。ゆっくりでいいから、ちゃんと考えなさいね」

「はい、ありがとうございます」

職員室を出ると、どこからか姫奈が先生に職員室に連れて行かれたと聞きつけた宗一郎たちが待ち構えていた。

「姫!何かあったのか?」

こうして勢揃いしていると、とても目をひくので、少し離れたところに移動する。

そこで凛との一件も含め、包み隠さず全て話す。

それを聞いたみんなはまたか、と半ば疲れた顔をしていた。その顔を見てとても申し訳ない気持ちになってくる。

どうするか、と悶々と考えていたら気付かぬうちに放課になっていた。

どんな授業を受けたのかもあまり記憶にない。

考えすぎたのか、その夜熱を出して寝込むことになってしまった。
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