桜が咲く時まで、生きていたい
「どうぞ」

保健室の先生がそう返事をするとさっきまで教室にいたはずの凛ちゃんが立っていた。

宗一郎が若干警戒態勢に入る。

「別に、嫌味を言いにきたわけじゃないわよ」

そう言って保健室に足を踏み入れた凛は姫奈の前にきた。

「この間はあんなこと言ってごめん。そんなことも知らずに」

まさかの謝罪だった。

「ううん。言ってなかったのは私だし」

「…これからはあんなこと、言ったりしないから。それと、みんな待ってるわよ」

それだけ言うと、保健室を出て行った。

宗一郎と目を合わせふふっと笑う。

「戻るか」

保健室の先生にありがとうございました、とお礼をし、保健室を後にする。

教室に戻ると、若干沈んだ空気を残しつつも明るく振る舞ってくれるクラスメイトがいた。

授業はとっくに始まっている時間だったのだが、なぜかみんなわらわらと寄ってくる。

一方で、授業の先生が困惑した顔で教壇の上に立っているのが見えた。

「姫奈ちゃん…!」

「さっきは…!」

あまりにも一斉にしゃべっているので聞き取ることもできない。

するとここで思わぬ助け舟がきた。一番先に動いたのは、総一郎でもサポートメンバーでもなく凛だった。

「ちょっと!そんなに一気に喋ってもわからないし、万が一あんたたちのせいで体調悪くなったらどうすんのよ!もう、姫奈も来たんだし、席に着いて授業よ!」

ここで授業担当の先生の顔がパッと明るくなる。

「はーい、みんなもういいでしょ、席に着いてー。初めるよー」

そこから午前中は授業を受けていたのだが、だんだん痺れが出てきたこともあり、早退することにした。

その間、凛に連絡先を教えてほしいと頼まれたので教えたりもした。

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