桜が咲く時まで、生きていたい
10月の最初、晴天の中、体育祭は決行された。

3-Eは赤ブロックだ。

「いやみろ、赤団!チアは宗一郎が団長、春樹が副団長だろ?」

「そしてあのメンツ、顔面偏差値たけぇ」

「でも、顔が良くても、演技がダメだったら勝てないよ」

「チアもやベェ!凛ちゃん率いるチア!」

「でも、なんか最近姫奈ちゃんとも仲良いんだろ?」

「そうそう、このチアも姫奈ちゃん中心に構成されてるっぽい」

などと、あちこちから声が聞こえてくる。ちなみに、千佳はチア、瑠花は意外にも応援団、そして蘇芳も応援団だ。

リハなどで見てはいたが、宗一郎の長ラン姿は、カッコ良すぎた。

見ている女子たちの視線を釘付けにしている。

姫奈は気づいていないのだが、男子の視線は姫奈に釘付けになっていた。

凛や千佳が威嚇している。すると、スタスタと宗一郎が歩いてきた。

ぐいっと肩を抱き寄せられる。

「!?」

「姫は俺のだ」

団長が突然動いたので何事かとびっくりしていたが、今のを見てヒュー、ヒュー、と口笛を吹いている。

その後すぐに演技に入らないといけなかったので、すぐに戻ったが、その間も威嚇していた。

赤団の演技は圧倒的だった。

「うそだろ…。凄すぎる」

「宗姫カップル、癒しすぎる」

遠くに小牧先生と羽田さんがいるのが見えた。

両親、そして宗一郎の両親もいる。

炎天下だったからだろうか、眩暈がした。

その瞬間、誰かに支えられた。

「姫、だいぶ無理してんだろ。涼しいところに休みに行こう」

こちらの事情など知らない下級生たちが姫奈たちに喋りかけようと寄ってくる。

まずい、だんだん力も入らなくなってきた。

その瞬間、体がふわりと浮いた。きゃー!!と周りからは黄色い歓声が聞こえ…。

どうやら、お姫様抱っこをされているようだ。姫奈の変化に気づいた春樹や蘇芳、瑠花と千佳など、赤団のメンバーが姫奈と下級生の間に入る。

「はいはーい。疲れてるから、またあとでねー」

「あんたたち!道を開けなさい!」

「休憩の後にしてもらえると助かります」

無事に保健室に辿り着くことができ、ベッドに横たえられる。

水を飲んだり、休んでいると、しばらくして体操服に着替えた赤団のメンバーが保健室にやってきた。

「姫奈、大丈夫?」

「うん、ちょっと無理しちゃったみたい」

今も激痛は走っているし、頭もふわふわする。

「宗一郎、ここは俺たちが見てるから、お前も着替えてきたら?」

「そうする、ありがとう」

すると宗一郎と入れ違いで小牧先生が保健室に入ってきた。

「おや、みんなお揃いで。さっきの演技、凄かったよ。久しぶりに見入ってしまった。ところで、ちょっと姫奈ちゃんと二人にしてくれるかい?」

みんなは素直に頷いて、保健室を出て行った。
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