桜が咲く時まで、生きていたい
部屋移動の日。

ちょうど土曜日だったので、宗一郎が手伝いに来てくれている。

先に荷物は移動させ、最後に移動する。

空っぽになった病室は寂しかった。

新しい部屋は最上階の眺めのいい部屋だ。最上階からなら、少し遠くに海も見える。

もちろん、学校も見えるという眺め最高な部屋だ。そして何よりベッドがふかふかだ。

部屋も前の部屋の2倍はあるのではないかと思う。

「部屋の移動は終わったのだね」

「お父さん!」

ここで宗一郎のお父さん、登場である。

「改めて、ありがとうございます!」

「いやいや、このぐらい本当に大したことはないんだよ。気負わなくていい。どうだい、この部屋は」

「とてもいいお部屋です。眺めもいいし、風も気持ちよくて」

「そうか、よかった」

「あらあら、まぁまぁ、いいお部屋ねぇ」

「お母さん!こんにちは!」

「どう〜?この部屋、宗一郎くんとこの人が見て決めたらしいのだけれど」

なるほど、だからこの二人なぜか誇らしげだったのか。お母さんに暴露され、別の方向を向いている。さすが親子だ。

「眺めもいいですし、風どおりもいい。何より、みんなが来てもあまり窮屈に感じないのがいいです」

そう、以前までの部屋では少し狭かったのだ。

「そこのお二人さん、座りましょうか。姫奈ちゃんが落ち着けないわ」

そう言われ、宗一郎は姫奈のベッドサイドに、お父さんはお母さんと一緒にテーブルの椅子に座った。

世間話やら、宗一郎での家での様子、楽しい話をたくさんしてくれ、時間が経っているのにも気づかないくらいだった。

約束どおりにきた瑠花たちが部屋をノックしたことで時間経過に気づいたぐらいだ。

その場はお開きとなり、瑠花たちとの談笑の時間が始まった。
< 68 / 77 >

この作品をシェア

pagetop