すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 先ほどのエレノア様の肖像画よりも、ずっと私に似ている。
 というよりは、私がそこにいるかのようだった。
 あまりの衝撃に私は足がふらついて、そばにいるエリオスによりかかってしまった。
 エリオスはとっさに私の肩を支えてくれる。


「レイラ、大丈夫か?」
「ええ。その、とてもびっくりしてしまって」
「そんなに似ているのか。俺も見てみたいものだ」

 エリオスは目線を斜め下に向けたまま、ふっと笑みを浮かべた。
 侯爵はおもむろにスヴェンについて語った。


「弟は亡くなる間際に、昔の恋人の話をしてくれた。だが、君のことは語らなかった。もしかすると、君の存在を知らなかったのかもしれない」

 それにはカレンが付け加えるように話す。

「もし知っていたなら、とても喜んだはずよ。彼は子供好きだったから、あなたのことを全力で愛してくれたと思うわ」

 侯爵は眉を寄せて、声を落とす。

「運命は残酷だ。君が生まれた頃、この国と君の国は外交的に険悪な関係にあった。もし、そうでなければ……」

 その先は、彼もそれ以上言葉にしなかった。

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