すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「アベリオ……」

 かすれた声をようやく絞り出す。
 けれどアベリオは冷たい視線を私に向けたまま静かに告げた。

「君に拒絶されてずっと悩んでいた僕を、そばで励まして支えてくれたのはセリスだ。僕は彼女との未来を考えている」

 心の奥でガラスのひび割れが、粉々に砕け散った。
 頭の中で破片が散らばり、そこには優しかった昔のアベリオの顔と、今の私が知らない彼の冷たい顔が交錯する。
 楽しかった思い出も、ときめいた日々も、すべての幸せが壊れて消えていく。

 セリスがアベリオにひっついたまま、私にちらりと視線だけ向けた。
 私へ向けられる彼女の潤んだ瞳。昔はそれを可愛く思えたこともあったけれど、今は嫌悪感しかない。
 セリスは震える唇で、私に向けてかすかな声を出す。

「レイラ、ごめんね」

 は? と胸中で呟く。
 何がごめんなの?
 謝ることをした自覚があるってことなのよね?

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