すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「ねえ、アベリオ。殿下のお話、聞いたかしら?」
「ああ、聞いたよ」
「もし本当なら、私の名はカルベラ国まで広まることになるわ。そうすれば、王室にまで名前が知れわたって、この国だけでなく異国でも有名になれるのよ。ああ、なんて素敵なの!」
「本当に素晴らしいよ。殿下の言う通り、君は努力家だ。君の未来は輝かしいものになるだろう」
「そうよね!」
「でも、君はもうすぐ僕のお嫁さんになるんだ。あまり行動範囲を広げすぎないほうがいいかもしれないよ」

 アベリオの言葉に、私は固まった。


 え? この人、何を言っているのかしら。
 私が世界に羽ばたこうとしているのに、それを控えるように言うなんて、ちょっと心外だわ。


「アベリオは私が異国で名を知られることをよく思わないの?」

 上目遣いで困惑の表情を向けると、アベリオの顔が少し赤くなった。

「いや、そんなことはない。ただ、あまり目立ちすぎると、貴族の令息たちが君に求婚しかねないと思って、心配で……」
「まあ、アベリオったら」


 やだわ、嫉妬してるのね。
 そう、これよ。私が一番ほしかった彼の感情。

 アベリオは私に夢中。私を絶対に放したくないんだわ。


 レイラ、あなたに見せてあげたい。
 私とアベリオは相思相愛。世界一愛し合う夫婦になるのよ。

 あなたが私に屈したときの顔を見られないのは残念だけど。


 さあ、まずはこのオルナード国で私の名を広めて、カルベラ国でも有名になるわよ!

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