すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 誰もが薄々予想していたことだ。私自身もその可能性を感じていた。
 けれど、それがはっきりと証明されると、やはり胸に衝撃が走る。

 喜びと戸惑いが混じる複雑な気持ちでいると、エレノア様が私に目を向けて声を震わせた。

「ああ、レイラ……」
「はい」
「こんなことが起こるなんて……本当に、これほど嬉しいことはないわ」

 その声には、驚きだけでなく深い安堵と喜びが混じっていた。
 私は立ち上がってエレノア様のそばに寄った。
 彼女は涙を滲ませながら微笑んでいる。


「これからは、おばあさんと呼んでくれるかしら?」
「はい。おばあ様」

 言葉を返すと、エレノア様が両手を私に伸ばした。
 私も自然と彼女の背中に手を添えて、ふたりでそっと抱き合う。
 エレノア様はしばらく私の背中を撫でていたけれど、ふいにそっとささやくように告げた。


「おかえりなさい、レイラ。ここは、あなたの家よ」

 彼女のその言葉に、私は堰を切ったように涙がこぼれた。

 おかえりなさい、なんて言葉。
 最後に聞いたのは亡くなった母からだった。
 もう一度こうして誰かに言ってもらえる日が来るなんて、思いもしなかった。

 これまでの孤独や傷がなかったことにはならないけれど、今は確かに私に帰る場所がある。
 受け入れてくれる人たちがいる。

 ふと目を上げると、エリオスと侯爵が笑顔で見つめていた。
 カレンは涙ぐんでいた。

 静かに見守ってくれる周囲の優しさに、私はいっそう胸が熱くなった。

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