すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 出発の日。
 ハルトマン家の人々が門前に集まり、私を見送ってくれた。
 みんな、どこか寂しげな表情をしていた。

「パーティには私も招待を受けているの。必ず行くわね」

 エレノア様はそう言って、そっと私の手を握った。
 その指先がかすかに震えていて、彼女の寂しさが伝わってくる。
 胸の奥がじんと熱くなった。

「お待ちしています」

 私はエレノア様を抱きしめ、静かに別れを告げた。

 そして、私は生まれ育った故郷へ戻った。


 懐かしい景色を見渡しながら、私はエリオスと共に王宮へ向かった。
 王宮を訪れるのはこれが初めてで、ましてや王子殿下と直接会うなど、夢にも思わなかった。

「初めまして。君の噂を聞いて、どうしても会いたくなったんだ。よく来てくれた」

 第3王子のサムエル殿下は、気さくで人当たりのいい方だった。
 彼は聖絵師の活動を支援し、自国の育成にも力を入れている。
 その名は、私も神殿にいた頃からよく耳にしていた。

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