すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 けれど、どうやっても私はレイラに敵わなかった。
 焦燥と嫉妬が心を蝕んで、黒い感情が少しずつ私の心を塗りつぶしていった。
 レイラが母親と笑っているのを見るたびに、胸の奥が焼けるように痛んだ。

 そしてある日、知ってしまったの。
 私の母が、兄であるレイラの父と禁じられた関係にあったことを。


 母が私を産んだのは、世間の目を欺くためだったらしい。
 見知らぬ男と一夜を過ごし、計画的に私を身籠ったのだという。
 私は最初から、母の欲のための道具でしかなかった。

 それなのに、レイラは愛されていた。
 レイラの母はいつだって、娘の味方だった。

 悔しくて、悲しくて、何度泣いたかわからない。
 どうして、私だけがこんなにも惨めなのだろうか。
 なんて不公平なのかしら。

 そんな思いでいっぱいになり、レイラを憎むようになってしまった。

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