すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「待って。せめて君の名を教えてほしい。俺はエリオス・ノルディーンという」
「えっ……ノルディーン公爵様ですか?」

 ノルディーン公爵といえば夜会にほとんど出席せず、謎に包まれた人物だと社交界で有名だ。
 けれど、私自身も夜会へ出席することがほとんどなかったので、似たようなものかもしれない。


「俺を知っているのか。ということは、君は令嬢なのだな。どこの家門か教えてもらえるだろうか」

 追い出された身で家門を名乗ることなどできない。
 私は躊躇して、自分の名だけ告げることにした。


「私はレイラです。以前は聖絵師(オーラリスト)をしていました」
「ああ、そうか。君は聖力を持っているから、このような絵が描けるのか」
「でも、この絵を描いたのは今日が初めてです。正直、自分でも驚いています」
「もしよければ、君と交流を持ちたい。絵を描いてくれとは言わないから、君の話を聞きたい。君が構わないなら正式に茶会の手紙を出したいと思っているが、どうだろうか?」

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