すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 翌朝、侍女が迎えにきて、私は朝食のためにダイニングルームへ案内された。
 長テーブルにはすでにエリオスが席に着いていた。
 私が侍女に促されて着席すると、彼はそっと体をこちらへ向けた。

 窓から差し込む光が彼の黒髪を淡く青く照らし出す。
 彼の黄金の瞳はきらめくほど美しいが、その視線はわずかに別のところにある。
 けれど、彼は私に向かって穏やかに微笑んでくれた。


「おはよう、レイラ。よく眠れたか?」
「おはようございます、エリオス様。こんなによくしていただいて、申し訳ないくらいです」
「敬称はいらないよ。君は俺の友だちだから、敬語も必要ない。気楽に話してくれていい」

 彼が笑うと胸の奥がきゅっとなる。
 友だちと言われただけなのに、じわりと胸が熱くなった。

「ええ……わかったわ。エリオス」
「ああ。では、いただこう」

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