すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 レイラをうちに招いて半月が経った。
 最初の頃は遠慮がちだった彼女も、だんだん周囲と打ち解けていった。
 侍女は、レイラの笑顔がとてもいいと言った。
 それに彼女はどんなドレスを着ても似合うのだと。

 羨ましく思った。
 俺も彼女の姿をこの目で見てみたい。

 きっと月光に包まれたような美しい天使の姿をしているのだろうと、勝手に想像したりした。


 レイラは定期的に医師の診察を受け、右手を動かす訓練もおこなった。
 しかし彼女の右腕は動くものの、指先を動かすことはできなかった。
 力も入らないようで、物を掴むことができない。

 それでも彼女は懸命に訓練をおこなっているようだった。
 無理をしないように伝えたが、彼女はいつも明るい声で「大丈夫」と言った。
 
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