すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「その女性の素性はわかりますか?」
「いや。まったくわからない。どこの誰か、家門も女性の名前すらも」
「まだ憶測の段階ですが、一度レイラに会ってみていただきたい」
「ああ、そうしよう。そのつもりで来たんだ」
「ただ、レイラは何も知りません。手紙でも説明した通り、彼女は自身の家族のことを話したがらないので、今は彼女の口から語られるのを待っているところです」
「承知している。なるべく、平静を保っていよう」
サイラスにレイラを呼びに行ってもらい、やがて彼女が貴賓室を訪れた。
俺にはこのふたりの対面がどんな表情のもとで交わされているのか判断できない。
しかし、空気がぴりっと張りつめているのは伝わってくる。
俺はまず、侯爵にレイラを紹介した。すると彼は明るい声で応じた。
「初めまして。エリオス殿から手紙で聞いている。私はマーク・ハルトマンだ。よろしく」
しかし、レイラはすぐに言葉を返さなかった。
驚いているのだろうか。何せ、ハルトマン侯爵はスヴェンと雰囲気がよく似ているらしいから。
緊張に包まれた空気の中、ようやく彼女が口を開く。
「あ……初めまして。レイラと申します」
その声はいつもより小さく、戸惑いが滲んでいるように思えた。
気まずさが漂うのを感じとったのか、侯爵は場を和ませるように、明るい口調で話を続けてくれた。
「いや。まったくわからない。どこの誰か、家門も女性の名前すらも」
「まだ憶測の段階ですが、一度レイラに会ってみていただきたい」
「ああ、そうしよう。そのつもりで来たんだ」
「ただ、レイラは何も知りません。手紙でも説明した通り、彼女は自身の家族のことを話したがらないので、今は彼女の口から語られるのを待っているところです」
「承知している。なるべく、平静を保っていよう」
サイラスにレイラを呼びに行ってもらい、やがて彼女が貴賓室を訪れた。
俺にはこのふたりの対面がどんな表情のもとで交わされているのか判断できない。
しかし、空気がぴりっと張りつめているのは伝わってくる。
俺はまず、侯爵にレイラを紹介した。すると彼は明るい声で応じた。
「初めまして。エリオス殿から手紙で聞いている。私はマーク・ハルトマンだ。よろしく」
しかし、レイラはすぐに言葉を返さなかった。
驚いているのだろうか。何せ、ハルトマン侯爵はスヴェンと雰囲気がよく似ているらしいから。
緊張に包まれた空気の中、ようやく彼女が口を開く。
「あ……初めまして。レイラと申します」
その声はいつもより小さく、戸惑いが滲んでいるように思えた。
気まずさが漂うのを感じとったのか、侯爵は場を和ませるように、明るい口調で話を続けてくれた。