すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
「はぁ、まいった……これは、予想以上だ。まるで弟が目の前にいるようだったよ」

 その言葉に、胸の奥で高揚感がわいた。
 やはりレイラは……と考え、すぐに冷静さを取り戻す。

「そんなに似ているんですか?」
「似ているなんてものじゃないよ。彼女は弟そのものだ。あの綺麗な銀の髪はカルベラ王族の特徴なんだよ。現国王はそれほどではないが、彼女はどうやらその血を濃く受け継いでいるらしい」


 どうやらこの話は、俺の手には負えないほど大変な事態になりつつある。
 ハルトマン侯爵の父である先代侯爵の妻エレノア、つまり目の前のマークの母親は元王女だ。
 もし、レイラがハルトマン家の血筋であれば、彼女は王族の血を引いている。


「この事実は、慎重に調べる必要がありそうですね」
「ああ。だが、彼女の姿を見て、ほぼ確信している。加えて、彼女が弟と同じ能力を持っているというのなら、調べるまでもないがね」

 侯爵がここまで断言できるということは、スヴェンとレイラは相当似ているのだろう。
 俺だけが彼女の姿を見られないのが、本当に残念でならない。

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