すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
 レイラ、君が泣いて僕に土下座する姿を想像すると、心のもやが少し晴れる気がするんだ。
 だが、それはあくまで空想でしかない。
 実際に君の後悔する姿をこの目で見ないと、僕たちは浮かばれないよ。


 君は確か歳の離れた男爵へ嫁いだと聞いた。
 結婚式には君を招待するからね。

 君は男爵の妾でしかないが、一応セリスの従姉だから、披露宴に出席する資格はある。
 僕たちの幸福な瞬間をその目に焼きつけるといい。
 それが僕たちにできる唯一の君への復讐だよ。


「ねえ、アベリオ。少し疲れちゃった。外の空気が吸いたいわ」
「わかった。少し休もう」
「それでは皆さん、またのちほど」

 セリスは僕の腕を掴んだまま、令嬢たちに笑顔で告げた。


 バルコニーへ出ると夜風が心地よかった。
 僕は正直、パーティがそれほど好きではない。
 しかし僕は次期侯爵として、そしてセリスと生涯をともにする者として、こういう場ではしっかり顔を広めておく必要がある。


「ああ、アベリオ……少し眩暈がするわ」

 セリスが僕の胸に抱きついてくる。
 僕はそっと彼女を抱きしめた。

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