皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
そして、私たちが十七歳の時──皇帝ロリオⅡ世が世を去った。

ヴィクトルの父はずっと病に伏していたらしい。

若すぎる死に、国中が喪服をまとい、深い悲しみに沈んだ。

国をあげての葬儀。

その棺の前に立つヴィクトルの姿を、私は遠くから見つめていた。

毅然と前を向いていたけれど、その横顔は痛々しいほどに張り詰めていた。

「皇太子殿は、まだ十七歳でしょう? 大丈夫なのかしら。」

「まだ成人まで一年ある。その間に徹底した皇帝教育を受けるんだろうが……」

「なんだか頼りないね。」

耳に入った町の人々の言葉に、胸がかっと熱くなる。

どうしてそんなことを言えるの。彼は──私の知っているヴィックは、誰よりも強いのに。

「ヴィックなら、大丈夫よ!!」

思わず大声をあげた。

周囲が驚いて振り返る中、棺の前に立つ彼がふとこちらを見た。

悲しみを宿した瞳と、私の瞳が、しっかりと重なった。
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