皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「ヴィック……」

声に出した瞬間、自分でも胸が揺れた。

少し前まで──いいえ、今でも私はきっと彼を好きなままなのだ。

証拠に、こうして目が離せない。

皇帝となった今も、幼馴染の面影を追いかけてしまう。

「コホン。」

空気を変えるように、イーヴが咳払いをした。

その視線に気づき、慌てて口を閉ざす。

「ごめんなさい。すぐに部屋を出ますから。」

そう言った私に、イーヴは首を横に振った。

「いいえ。アンヌはここに残って、皇帝陛下のお話相手になりなさい。」

「え……?」

思わずきょとんとする私に、イーヴは淡々と告げる。

「私は部屋の外におります。何かあれば呼んでください。」

そう言って扉へと向かう足音が響く。

残された私は、戸惑いと緊張でいっぱいだった。

──けれど、どこか嬉しくもあった。

二人きり。

この広い部屋で、ただ私とヴィックだけが向かい合う。

その事実に、鼓動が早まっていくのを抑えられなかった。
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