皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
悔しさで胸がいっぱいになり、一人だけ馬鹿みたいに夢を見ていた気がして、涙が溢れそうになった。

「ああ、くそっ!」

ティドが低く唸ると、次の瞬間、私の腕を掴んで立たせた。

「ごめん……俺が素直じゃなかった。」

「ティド……?」

真剣な瞳に射抜かれ、思わず息を呑む。

「アンヌを、誰にも取られたくない。」

その言葉に驚き、思わず口元に手を当てた。

そして──彼は私の目の前に膝をついた。

「アンヌ・マリー・フェレール嬢。俺と結婚してくれ。君を幸せにできるのは、この俺だ。」

真っ直ぐに向けられる瞳。

幼い頃から知っていたはずの彼が、今は全く違う人のように見えた。

「……“うん”と言ってくれ、アンヌ。」

必死に差し伸べられる言葉。

心臓が激しく鼓動し、どうしていいかわからなかった。

──ヴィックとティド。

二人の間で引き裂かれそうになりながら、私は答えを出せずにいた。

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