皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「それで、どっちにしたんだい?」

「えっ……もう結論!?」

思わず声が裏返る。お母さん、展開が早すぎるよ。

「……ティドは、断った。」

「そうかい。じゃあヴィックは?」

皇帝になった今でも、彼を“ヴィック”と呼べるのは、きっと私とお母さんくらいだ。

「ヴィックには……考えさせて、って答えたの。」

「そうかい。それで、何で悩んでいるの?」

軽やかに問いかけられると、不思議と心がほどける。

私の悩みも、少し軽くなる気がした。

「だって……ヴィックは皇帝陛下なんだよ? 一庭師の私が妃になれるわけないって、イーヴさんに言われたの。ティドにだって『身分違いの恋は、苦しいだけだ』って……」

「なーんだ、そんなことかい。」

母はふっと笑みを浮かべた。

まるで些細なことを気にしている子どもを見るような、やわらかな眼差しに、胸の奥がじんと温かくなった。
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