皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「だが、皇帝陛下の愛は深い。君を妻にできないのであれば──一生独身でもいいと仰られた。」

「……すみません。」

胸の奥が痛んだ。

けれど次に放たれた言葉に、私は息を呑んだ。

「いや、考えようによっては……君に皇帝陛下の子を産んでもらう、という道もある。」

「ええっ!?」

思わず声が裏返る。

本気なの? イーヴさん……?

「アンヌ、ここは一つ、決心してくれないか。」

「イーヴさん……それって……」

私に──妃になれと言っているの?

「もちろん妾としてだ。しかし、必要な宮廷教育はすべて施す。どこへ出ても恥じぬ貴婦人に育て上げよう。約束する。」

ゴクリと唾を飲み込む音が、自分でもはっきり聞こえた。

恐怖と混乱で、胸が締めつけられる。

「アンヌ。これは国のためだ。承諾してくれるね。」

その冷徹な瞳に射抜かれ、逃げ場を失った気がした。
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