皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
その時、扉が開いて──ヴィックが戻ってきた。

「アンヌ。……待っててくれたんだね。」

安心したように微笑む彼を見て、胸が詰まる。

私は小さくため息を漏らした。

「さあ、アンヌ。」

背後から、イーヴがぐっと背中を押してくる。

「……あの、ヴィック。」

「なに?」

真っ直ぐな瞳に見つめられると、頬が熱くなる。

「その……」
「うん」

またしてもイーヴの手が、私を後押しした。

「……ヴィックのプロポーズ、受けようと思って。」

一瞬の沈黙。

次いで、ヴィックの顔がぱっと輝いた。

「本当!?」

あまりにも嬉しそうな表情に、胸が締めつけられる。

──でも、これは私の心からの言葉?

それとも、イーヴに追い詰められて出てしまった答え?

心の奥で、その疑問が消えなかった。
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