皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
そしてヴィックは、私を力いっぱい抱きしめた。

「ああ、アンヌ……僕は幸せだよ。」

「ヴィック……」

その温もりに胸が震える。

だが次の瞬間──

「但し!」

イーヴの鋭い声が響き、私達は強引に引き離された。

「最初から、お妃候補などと決まってはおりません。」

「イーヴ、おまえはまだそんなことを言うのか。」

ヴィックが険しい声を上げると、イーヴは唇の端を吊り上げた。

「アンヌ嬢にはこれより宮廷教育を受けていただきます。その成果次第でございますな。」

「イーヴ!」

しかし、次の瞬間、二人はまるで旧友のように盛り上がり──ハイタッチを交わした。

呆然と立ち尽くす私。

まるで蚊帳の外に置かれたみたいで、胸の奥がそわそわする。

──本当に、私がヴィックのお嫁さんになるの?

どうしても実感が湧かなかった。
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