皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
「……ヴィックに何かあったら、俺たちの命も無くなるってことだ。」

私を挟んで、ヴィクトルとアリスティドが睨み合う。

水に濡れた瞳がぶつかり合い、重い沈黙が流れた。

「どういう意味だ。」

問い詰めるヴィクトルに、アリスティドは視線を逸らさず答える。

「そのままの意味だよ。」

二人の間に張りつめた空気。

息が詰まりそうで、胸が苦しくなって、私は思わず声を上げた。

「ヴィック……ティド……お願い、もうやめて……!」

涙声の私を見て、ヴィクトルはハッと我に返ったように表情を緩め、そっと頭を撫でてくれた。

「ごめんな、アンヌ。泣かせるつもりじゃなかった。」

その優しさに胸が震えた瞬間──。

屋敷の使用人が彼を呼びに来て、ヴィクトルは馬車に乗って去っていった。

残されたのは私とアリスティド。

その沈黙の中で、彼はふいに唇を開き、私にだけ告げたのだ。
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