皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
鏡を覗き込むと──そこに映っているのは、もう私じゃないみたいだった。

胸の高鳴りと一緒に、頬まで熱くなる。

こんな格好でヴィックに会うなんて、恥ずかしい……。

「さあ、皇帝陛下の元へ行きましょう。」

「……はい。」

足を踏み出すたびに、裾がふわりと揺れ、鼓動が早まる。

ヴィックは、いったい何て言ってくれるんだろう。

廊下に出ると、イーヴが待ち構えていた。

「おっ、着替えて来ましたね。」

鋭い視線に全身を見られ、思わず肩が縮こまる。

「ははー、なかなかですな。」

「でしょう?」

イーヴとカトリーヌが顔を見合わせ、笑い合う。

二人のやり取りに、胸の奥がそわそわして落ち着かない。

「な、なんだか……可笑しくないですか?」

恐る恐る問いかけると、二人の視線が一斉に私へと注がれた。

その瞬間、さらに心臓が跳ね上がる。
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