皇帝になった幼馴染みの溺愛が止まりません
そして──ついにその日は訪れた。

ヴィック主催の盛大なパーティー。

近隣諸国からも貴族や王族が招かれ、豪華なシャンデリアの下、華やかな笑い声が響いていた。

私もドレスに身を包み、その場に立っていた。

フェルナンド先生から叩き込まれたダンスを披露する時が、ついに来たのだ。

「アンヌ。緊張しなくていい。僕が隣についているからね。」

「ありがとう、ヴィック……」

その言葉に勇気をもらいながらも、心臓は破裂しそうなほど速く打ち続ける。

ふと視線を感じて顔を上げると、ナタリー姫がこちらを見ていた。

隣に座る令嬢と、扇子で口元を隠しながらひそひそと囁いている。

「庶民出のくせに、いい気なものね。」

「ダンスなんてできるわけないわ。失敗すればいいのに。」

……全部聞こえてるんですけど。

胸の奥がざらつき、思わずため息が漏れた。

でも今夜こそ、証明しなければ。

私がヴィックの隣に立つにふさわしい存在だと──。
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