男装幹部はお姫様にご執心
プロローグ
ザアァァァァッ



窓を閉めていても聞こえるほど、強い雨に心が揺らぎそうになる。



大丈夫、決めたでしょ?奈々を守るためなら何でもするって。


だから、震えないで私の手。


お願いだから、この男の前では震えないで。




「まさか、”あの”Tiger's Tailの幹部がこんなにかわいー女の子だったなんてね。」




「……だまっ、て…」



「じゃあ黙らせてみたら?大好きなお姫サマのために。」




そうだ、奈々を守らなくっちゃ。


きっとまだ、守りきれてない。奈々はまだアイツらに狙われ続けてることだけでも伝えないと。






本当の敵が―――じゃないこと。


そして





本当の敵は誰なのかを。






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