男装幹部はお姫様にご執心
幼馴染がお姫様になりました。

いやいや、そうはならんでしょ!?

それは、奈々の一言で始まった。



「あのね、あのね!私『Tiger's Tail』のお姫様になることになった!』




「…は?」





その日、私はいつも通り授業を受けて、幼馴染の奈々と授業難しかったね、宿題多すぎるよね、なんて言って。


本当にいつも通りの日常を過ごしていた…はず。




その日常は、奈々の一言で崩れ落ちた。




「いやいや、なんて?」




そもそも奈々と Tiger's Tailに関わりなんてなかったはず…



Tiger's Tailといえば、この高校の二大勢力である暴走族だ。

なんでも、総長が珍しい熱血正義マンタイプで族にしては治安もいいし、モラルもある。



そういう意味では Tiger's Tailに嫌悪感は抱いてない…けど。




奈々は一体どこで知り合ったの?



登下校はいつも一緒にしてたし、お昼も休み時間も一緒に過ごしていた。

唯一離れる時間なんて…トイレと体育の前後の着替えくらい。




…あっ。





昨日だ、昨日のお昼は先生に呼び出されて一人で購買に行かせちゃったんだっけ?


いやいや、それだけで姫になることなんてある…?
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