Secret love.
「てか、明日も祝日で休みなわけじゃないですか。」

「…ええ、まあ。そうですね?」

「もう一泊どっかで泊ってかない?」

「…え?」

「社員旅行でストレス溜まってんの。旅館じゃなくて、ちょっといいホテルとかだけど、どう?」


そう言いながらスマホの画面を見せてきていて、以前私が宿泊してみたいと言っていたホテルのスイートルームが予約されていた。まさかこのタイミングでこんなサプライズが用意されているなんて思っていなくて驚いた。

及川くんを見ると、私の返事を求める様に首を傾げている。


「…予約してるし、行くしかないじゃん。私の答えなんて求めてないでしょ。」

「いやいや、どう?って聞いてるんだから。」

「本当ずるい人。」


そう言って笑えば、及川くんも少しだけ笑ってスマホの画面を閉じる。

バスが揺れている間もずっと手は離される事無く、繋がれたままだった。周りに見えない様にお互いの席の間に手を隠して、私は窓の外を見て、及川くんは黙って前を向いているだけだったけど、会話の無い時間も嫌いじゃない。

周りは疲れで眠ったり、旅行の感想を言い合う人が居た。私も疲れているから眠ってしまいたいのに、全く眠れそうにはない。手を繋いでいるだけでも、この人と居るといつまで経ってもドキドキして落ち着かないから。
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