Secret love.
「飲み物つくりに来ただけなのに、話過ぎたかな…。怒られそうなのでカウンターの外に逃げます。」
そう言って笑う男性に、私も笑って見送る。そのオレンジカクテルの話を聞いてからカウンターの反対側の端に座る女性が丁度それを頼んでいて、ハッとした。
「及川くん…、今私は凄く尊い現場に居るのかもしれない!」
「本当人の色恋の話好きな、優花は。」
そう言って苦笑いしてから視線は私の左手に落とされる。同じように左手に視線をやると薬指に婚約指輪をまだ着けていないことを思いだした。
ハッとして鞄から指輪を取り出すと、及川くんにその指輪を取られて、それから左手を優しく掬われ、そのまま薬指にはめてくれる。
「まだ婚約してるって実感無いんだよな。今までと変わらないから。」
「及川くんには指輪も無いしね。」
「そう。こうやって指輪も常に着けてられるわけじゃないから、見ていられないし。だからって今秘密にしている事が間違いだとも思ってないけど。実際バレるかバレないかみたいなの楽しんできた側だから。」
「悪趣味だよね。」
社内で会っても長話をしたりとかはせず、あくまでただの同僚扱いだけど、周りには気付かれない様にアイコンタクトなどをされたり、そういうシチュエーションでしか得られないときめきも確かにあったから否定はできない。
そう言って笑う男性に、私も笑って見送る。そのオレンジカクテルの話を聞いてからカウンターの反対側の端に座る女性が丁度それを頼んでいて、ハッとした。
「及川くん…、今私は凄く尊い現場に居るのかもしれない!」
「本当人の色恋の話好きな、優花は。」
そう言って苦笑いしてから視線は私の左手に落とされる。同じように左手に視線をやると薬指に婚約指輪をまだ着けていないことを思いだした。
ハッとして鞄から指輪を取り出すと、及川くんにその指輪を取られて、それから左手を優しく掬われ、そのまま薬指にはめてくれる。
「まだ婚約してるって実感無いんだよな。今までと変わらないから。」
「及川くんには指輪も無いしね。」
「そう。こうやって指輪も常に着けてられるわけじゃないから、見ていられないし。だからって今秘密にしている事が間違いだとも思ってないけど。実際バレるかバレないかみたいなの楽しんできた側だから。」
「悪趣味だよね。」
社内で会っても長話をしたりとかはせず、あくまでただの同僚扱いだけど、周りには気付かれない様にアイコンタクトなどをされたり、そういうシチュエーションでしか得られないときめきも確かにあったから否定はできない。