Secret love.
「でも、1年後周りにバレても楽しみだったりもする。及川だって名乗る優花を見るのも、隠さずに堂々とどんな会話もできる様になったりとか、他の男が優花に言い寄るのを見ても、堂々と牽制できるようになるし。」

「そんなに言い寄ってくる人も居なかったけどね。」

「優花は本当にさ…、俺がどれだけ川﨑さんとの間持ってよって言われたか知らねぇからそんな事言えんだって。彼氏いるみたいですよ~って遠回しに断ってるけど、俺が優花と仲の良い同期だって勘違いした先輩とか後輩が俺に頼み込んでくるの。普通にムカつくんだよな。」

「…及川くん普段温厚なのに、私の事になると口悪いよね。ムカつくとか。」

「そりゃそうでしょ。俺のせいだとは分かってても、何で俺が言い寄れなくて他の男が簡単に言い寄れるんだろうなとか常に考えてるし。」

「…つまり、嫉妬って事?」


そう口にすると私の発言で少し驚いていた。長々と話しているけれど、嫉妬にしか見えなくて、実際及川くんもすぐに否定しない。

きっと及川くんの何とも言えない感情を理解できるのは私だけだと思う。私は、そうなる時間違いなく嫉妬だから、もしかしたら及川くんも同じ気持ちなのでは?と思ったのだ。


「…そう、かもね。」

「だよね。分かる、私も同じ気持ち。」

「俺、そんな不安にさせてるつもりないけど…。」

「今はね。」


一か月前までの私の事だし、きちんと及川くんの気持ちを聞いてからは不安はない。だけど理解はできる。

最近の及川くんはきちんと気持ちを伝えてくれているから、今の安心感がある事を再度理解した。
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