Secret love.
「ごめん、全然実感がまだ湧いていなくて何も考えてなかった。及川くんは何か考えてた?」

「一生ものだし、せっかくならハンドメイドかオーダーメイドがいいかなって。店の完成された指輪でも似合うだろうけど。」

「そうだね…、後で一緒に調べてみる?」


普通に返事をしたつもりだったのだけど、及川くんは真顔でこちらを見ていて、私の問いに対する答えを言わない。

変なことを言ったつもりはもちろんないから首を傾げ「どうかした?」とさらに問いを続けると、及川くんは溜息を吐いた。


「今の状態で指輪の事考えるとか無理そうな。」

「何で?出来るよ?」

「いつもだったらもっとこの手の話喜ぶだろ。今日の優花は全然乗り気じゃないじゃん。」

「…それは、そうだけど。でも、指輪のことも決めたいし。」

「別に今日じゃなくていいから。他の事気にしたまま決めて、やっぱり…とかなってほしくないし。」


そう言い切るとご飯を食べる事に戻ってしまった。そしてその顔はどことなく少し不機嫌である。

及川くんがせっかく色々考えてくれていたのに、それに最大限良い反応が出来なかったのは私の落ち度だ。

だけど、今日じゃなくていいと言いながらその態度なのは気まずい。
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