Secret love.
そのまま1人カフェスペースに向かう。

私達は付き合ってない設定だから、こんな誤解が生まれそうな場面でも迷わず恋人を追いかけるという事が出来ない。

及川くんとすぐに離れたからか、エレベーターを待っている太一と鉢合わせてしまった。


「…振られました?」

「振られては無いです。」

「しゃあないな。じゃあ俺がコーヒー奢ってあげます。」

「話聞いてた?」


そうツッコむ私に少し笑って、ちょうどこのフロアに到着したエレベーターに乗り込みカフェスペースのあるフロアまで上がる。

エレベーターに乗り込むと無言で、その間ずっと先程の光景を思い出して頭から離れなかった。

いつから及川くんと姫野さんはあんなに仲良くなったのか。及川くんも距離を置く様な話し方ではなくて、少し砕けた様な話し方なのも気になった。

仕事以外の時間は誰の事も煙たがったりしない彼の事だから、それだけかもしれないけど凄くもやもやする。


「もう、及川さん黙ってこの人連れてってくれたらよかったのに。すげぇ辛気臭いんですけど。」

「分かってるってば。ごめんって。」

「もしかして姫野絡み?」


エレベーターに行く前にすれ違っただろうから大体の予想をつけられたのかもしれない。もう何も誤魔化せそうにはなかった。
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