Secret love.
「俺の考えなんで、不安なら俺の意見を参考にするんじゃなくてきちんと及川さんの考えを聞いた方が良いっすよ、こういう時他者の話聞いて行動して良い事無いんで。」

「何それ、経験談?」

「そっすね。」


太一の返事は相変わらず適当でミルクコーヒーを買うと私に手渡してくる。太一の恋愛に触れる様な話を聞いたのは初めてで少し驚いた。

ミルクコーヒーを受け取ると「ありがとう」と言葉にして、缶のタブをグッと引っ張って開ける。


「太一も恋愛出来たんだね~。」

「まあ、もう28なんで、元彼女の1人や2人はいるでしょ。」

「そうだろうけど、太一興味無さそうじゃん。」

「興味無い事は無いですけど…、面倒だなとは思いますね。」


太一はてっきり人にも恋愛にも何にも興味が無いと言ってしまう様なタイプだと思った。私の勘違いだった様で、太一はきちんと人の事を見て考えて動ける優しい人なのだと思う。

結構長い付き合いになるのに、全然太一の事を知らなかったのだなと反省した。

そこで何と言葉を掛けようかと悩んでいると後ろから足音が聞こえてきて、太一と同時に振り返る。その先から来ていたのは、及川くんだった。

及川くんは私と太一が一緒に居るのを見て少し驚いた表情をしていたけれど、すぐに笑顔を取り繕って「やっぱ俺もこっち来た。」なんて言って近付いて来た。

てっきりあのまま姫野さんとお昼を一緒にしているんだと思っていたから、ここに来たことに驚いた。
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