Secret love.
「嫌だった?勝手に言われるの。」

「…嫌に決まってるし、これだけ振り回してきといて。ていうか何も納得してないから。この間の姫野さんとの事も。」

「マジで何もない。」

「話す気無いのは分かったけど、2人で会ってた事言わないのはこっちも不安になるし、そっちもあらぬ疑いがかかるのきちんと分かって。毎度及川くんの言葉が足りないんだよ。」

「ごめん。」


素直に謝ってくる及川くんをこれ以上問い詰める気はない。少しだけ笑って、及川くんの手をそっと握ると、少し驚いた表情をしていた。

私が怒っていないとわかると、少し手を離して手の繋ぎ方を恋人繋ぎに変えてくる。

ここ2週間程、まともに話せていなかったから手を繋ぐだけで少しだけときめいてしまった。


「及川くんってずるい所あるよね。」

「何が?」

「外堀を埋めるとか、後に引けないようにするとか、私が及川くんの考えにしか進めない様にするよね。」

「いやいや、散々逃げるタイミングは渡してたはずじゃん。付き合ってる事言ってなかったからひっそり別れる事も出来たし、結婚の事俺で良いのかって考える時間もあげたでしょ。」

「別れ話になったら別れないっていうくせに。」

「それだけで引き止められるなら、優花もそこまで別れたいって思ってないじゃん。」

「ああ言えばこう言う!」


手を離そうと振ってみても、全然手を離してくれない。及川くんをその間睨みつけても幸せそうに笑ってるから、私も釣られて笑ってしまう。


「会社ではどうする?」

「…ちゃんと言うよ。もう不安にさせないって約束する。」


そう言う及川くんに「そっか」とだけ返事をした。この歳になってまで嫌がらせをする人なんていないと思うけど、されたとしても関係無いが結論だった。

それよりも及川くんの考えが読めずに不安になる方がずっとずっと怖い。
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