Secret love.
穏やかだった日々から数週間後、仕事の忙しさは更に激しさを増していたが、それも後1日2日程で終わる。

ここ一週間程既に及川くんとはまともに過ごせていなくて、たった一週間なのに既に寂しくなっていた。

車で迎えに来てくれるけど、お風呂に入ってご飯を食べたら寝るだけのそんな生活に、そろそろ限界で今日も残業なのだけど机に突っ伏してしまう。

そう言えば今日及川くんが精算に来ていないと気付いて、思わずそわそわしてしまう。ほとんど毎日高確率で経理課に1回は顔を出しているので、そろそろ来るのではないかとドアの方を見た。

まだ来る気配はなく少し肩を落として、やる気も無く右手の人差し指で文字を打っていく。

こんなことしていても仕事が終わらないのは分かっているけれど、集中力なんてとっくにない。

毎年この時期は及川くんと全然デートもいけない!と泣きながら仕事している気がする。

せめて甘いものが飲みたいと席を立ち上がろうとした時「あれ、どっか行くの?」と声を掛けられた。その声の方向を見ると及川くんで、精算書と領収書をひらひらと見せつけてきていた。


「飲み物買いに行く。エネルギー切れ。」

「優花のエネルギーって飲み物で出来てたん。知らんかったわ。」

「甘いのが欲しい。」


そう言うと腕時計を見て「もうすぐ定時過ぎるし、ちょっと一緒に休憩行く?」と周りに聞こえない様に耳元で悪魔の提案をしてくる。

今休憩なんてしたら間違いなくスイッチは入らないと思うし、後の予定がどんどんずれて帰りが遅くなりそうな気がする。

だけど、今の私は結構限界が近くて首を縦に振ってその誘いに応じてしまった。
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